2019-01-25

男になりたかった

頭の奥の方が締め付けられているみたいに痛む。たぶんもうすぐ生理がくるんだろうけど。

ずっと男になりたかった。男に憧れていた。見た目とかそういうことではなくて、男みたいな生き方がしたかった。ずっと好きで見てた配信者が少し前、悪いけど男楽しいよ、女はかわいそうだから男が養ってやるんだって言ってた。その通りだと思った。だから悲しくて一晩中泣いてた。女らしく。まるっきり女みたいに感情を垂れ流して泣いて、そんな自分を受け入れていた。

男みたいになりたくて、男みたいな話し方をしてきた。男みたいになりたくて、男に惚れないようにしてきた。恋愛は悪だと決めつけてきた。男みたいになりたくて、男との関わりを絶った。男と関わると、自分が嫌でも女だって言われてる感じがした。男みたいになりたくて、出来ない女を内心馬鹿にして、上を目指して、ここまできた。男に負けない強い女になりたかった。本気で男になりたかったわけじゃない。それでも、女なりに、男みたいにバリバリ働いて、男みたいに稼いで、そういう女になりたかった。

年々、綻びが増えていく。男になりたかった自分が少しずつ、女に染まっていく。生理は嫌でも来る。勝手に男に惚れる。もういいかなって思い出す。ひたすら上を目指すことにも嫌気がさす。馬鹿にしていた「温かい家庭を守る専業主婦」に無意識に憧れる。大嫌いだったヒステリックババアに近づいていく。そんな自分に、諦めがついてくる。

男に憧れていた自分にも、いつか寿命がきてしまうのだろう。わたしフェミニストではないし、立派な思想を掲げて闘っていくような気概はない。生まれときからずっとそう。男みたいになりたいって気持ちも、すごくよくある女らしい感情だったと思う。男という存在に夢を見ていることも含めて、とても女性的だ。知っていて、見ないふりをしていた。でもも限界。もう、解放してあげたいと思う。

自分がこういう人間なんだっていうのを、男だなんだ、女だなんだって、そういう議論すり替えたいだけなのかもしれない。それももうわからない。でも、そういう自分も受け入れてあげたい。

男になりたかったんだと思う。そういう、どこにでもいる女のひとり言。

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