たまごマンの朝は早い。レンチンしてアツアツになった冷凍ご飯をお茶碗にあけて箸で真ん中をほじほじってしてそこに生たまごを割り入れる。はじめは白身だけごはんと混ぜて(絶対に黄身はつぶさない)醤油をぽたりと垂らしてずるずると食べる。ごはんがあつあつなのでそうこうしてるうちに黄身は徐々に固まりやややや半熟に。そこでようやく箸でぷっつと黄身を割る。どろりとしたところに再度醤油をぽたりぽたり。米・たまご・醤油・熱の作る芸術にしばし恍惚となる。
たまごマンの昼は適当。忙しいからね。立ち食い蕎麦がデフォ。昔、食券買うタイプの店で月見そばの券とたまごの券を買ってカウンターに置いたら受け取ったおばさまから「あ、月見というのはたまごの入ったおそばのことよ?」というカウンターパンチを食らって(カウンターだけにねってやかましわ)それ以降たまご2個のせ蕎麦の夢はまだ叶っていない。でも!!人の夢は!!終わらねえ!!終わらねえけど2個たまご注文できずにふつうの月見そばを、先述した黄身つつかないで温めソッドで食べる。
たまごマンの夜はたまごマンだって飲みたい夜はある。家で酒を飲む。ここはふつうに宝焼酎ハイボール。エッグノッグとかは飲まない。ちびちび飲んでるとつまみが欲しくなる。家にはたまごしかない。なので常に目玉焼き。たまご一個分ちょうど焼けるちいさいフライパンでじりじり焼く。はじめからずっと弱火。油はほんの少し。3分くらい弱火でじりじり。そうすると下がカリカリになってひっくり返しやすくなるのでさっと反転する。黄身がつぶれないように慎重に、でも大胆に。2、3秒焼いたらすぐ皿に。ちょっと表面が固まればいい。これによってまた箸でぷっつと黄身を割ることができるのだ。どろりとした黄身を箸で白身にまぶす。醤油をぽたりぽたり。