と言っても自分が告白して振られたわけではなく、好きだった女の子が自分じゃない男性に告白してOKをもらった話をさっきまで聞いていた。
もう26にもなるが、ほとんど女性と合わないような環境で育ってきたため、恋愛ということをろくに経験したことがなかった。
その子はいつも笑顔が素敵で、ちょっとしたことでよく笑う人だった。
半年前偶然出会って仲良くなった。なんで自分みたいな陰気でいつも1人でいる人間に話しかけてくるのだろうと不思議に思っていた。
その人と話すのは本当に楽しかった。話す内容は普段の何気ない日常のことばかりだが、たまに将来のことについてよく聞かされた。
そのうちの1つが、その人が好きな男性についてだ。
自分の気持ちについては自覚していたし、その人が自分のことを恋愛対象として全く見ていないこともよくわかっていた。
その人が幸せなら自分も幸せだろうと考えていつも真剣に悩みを聞いていた。
そして今日、その人が告白し、晴れてその男性と付き合うことになった。
いつも悩みを聞いてくれてありがとう、これからもよろしく、といった言葉をもらった。
こうなることはわかっていたからその人の前では普段通りのふりをすることができたが、やっぱり辛かった。
今も心臓なり肺なりが痛いが、このことを相談できる友人がいないのでここに書いてる。
書いてて涙が出てきた。我ながら気持ち悪いな。本当に好きだったんだな。これでよかったんだ。
恋。 普通の娘を 女神と間違うこと。