2018-01-08

笑ってはいけない国

淡々とした口調の会話があちこちから耳に入る。いつも通りの光景ながら、可笑しさに笑いが出そうになるが堪える。ふと、この人たちもこんな突発的な笑いをこらえて生きているんだろうな。

この国では一切の笑いが禁止されている。そんな禁止令が制定されたきっかけは本当にちいさなことが始まりだった。だけれども、それに憲法やら国連やらの権威を使って圧力をかける集団急先鋒となり笑い禁止を掲げて政治活動をしていた。みんな始めは馬鹿じゃないかと思っていた。そんなことありえるわけないでしょと。しかし、彼らは戦略的に着実に世論を取り込んでいった。

もし禁止令があわないなら、やめることもできるから一度やってみよう

笑いの感情に正の部分があることは認めるが、負の点もある、その負の点だけを規制するのは難しい。だから、一律で規制することが望ましい。もちろん、笑うという行為禁止されているだけで、おもしろいと感じたりしても良いし、それを他人に伝えることはなんの問題も無い。ただ笑ってはいけないだけである

あとは、そういう活動家が得意な海外では論法がたくさんあった気がする。

もちろん、反対派もいた。しかし、反対派は暴力的行為に訴えるばかりで議論というものを行おうとしなかった。

そういう状況の中で、禁止派のほうが何か正しいことを言っているのではと思う国民が増えてもおかしくなかった。禁止派の論理は正しく聞こえ、反対派は論理真正から反論をしない。まともな反対派がいたら、現状は今とは大きく変わっていただろう。

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