気分が憂鬱なのは、きっと都会の喧騒に心が押しつぶされているからだ。そう思った私は田舎へ逃げ出した。
だけど、どこへ行ったて憂鬱な気分というのは消えない。教員向いていないんだな。生徒に愛着を感じない。人と接したくないという日があるが、仕事柄そういうわけにも行かない。
自分の都合で予定を決められない。つらい。
同じ環境でもケロッと元気な奴がいる。きっと幸福な人生を送ることができるのだろう。
なんだか、もう何をやっても楽しく時間を過ごすことはできないんだろう。学生時代から3ヶ月に1回くらい、学校へいけなくなるほど辛く感じるときがあった。あるときは、進学、あるときは自分の死について悩んだ挙句、ただただ苦しみを感じるだけだった。しかし、大学には心の底からバカ言って笑える友人がいた。日常の苦役から少しだけ開放してくれる図書館があった。学生生活をかけるに値する楽しいサークルがあった。だけれど、いまは賽の河原のような不毛な職場で一日の大半を過ごし、日常のあれこれを語り合うことのできる友人もいない。
就職するということが、仕事をするということがこんなにも虚しいのなら人生というのは苦役だ。どうして、若く短い学生時代に私に楽しい時間を過ごさせたのか。ただ過去を振り返り、懐かしむことしかできない。
もう、年を取っても、職場を変わっても何も変わらないのだ。
この日常から抜け出したい。この日常を抜けだしたどこかに、面白いと思うものがあるかもしれないという希望が私を苦しめている。