メイド喫茶に行った経験はなんどかあって、その話をガチオタクの友人に話したところ、「観光客向けのメイド喫茶じゃなくてもっとこじんまりとしたところにいかないと」というアドバイスをもらった。
たしかに私の行ったメイド喫茶は外人やらカップルやらも多くて、昔からイメージしていたような場所ではなかった。メイドさんの絡みもどこか作業的で少し虚しく感じた。
そこで、友人がおすすめしていたメイド喫茶に行ってみた。なるほど観光客向けのメイド喫茶とは違って、お客さんの人数も少なく、メイドさんと楽しくおしゃべりしたりゲームしたり、とても楽しい時間が続いた。
しかしそこで特に衝撃を受けたのは、メイドさんとの絡みではなくてお客さんの方だった。
ただひとり、カウンターに座ってひたすらゲームをしているオタクがいた。特にメイドさんと話すわけでもなく、料理を食べるわけでもなく、イヤホンを身に着けてひたすら携帯ゲームを楽しんでいた。
そこで私は安直に、ゲームやるならわざわざここじゃなくて家でやればいいのに。お金もかからないし。と思ったのだが、よくよく考えると似たような光景を目にしたことがあった。
それはスナックだった。
スナックのママさんと話すわけでもなく、居合わせた客と絡むわけでもなく、ただひたすらカウンターに座って酒を飲む客。
メイド喫茶にいたオタクとスナックのひとり酒の客は、容姿は全く違うけれど、多分同じような時間を生きているのだなと思った。
一人は寂しいけれど誰かと話すのは苦手、だけどスナックは行きにくい。そういうオタク層の需要をメイド喫茶はしっかりと満たしていたのだなと勝手に納得し、それが私がメイド喫茶に行ったときの一番の収穫になった。
最近スナックのステマ多いな。