辛い状況の子供が助けを得られずに終わる映画がある。違う感想を持つ人ももちろんいる。それでも私にはそう捉えられた映画がある。
大人は判ってくれない、スイート・シックスティーン、パパは出張中
この三作品は特に衝撃的だった。主人公と視線が合う場面で私は面食らった。大団円ものに慣れきっていたし、この作品もそうなると予想していた。製作者の意図や作中描かれることの現実性について、主人公たちのその後を時々私は思った。その衝撃はなかなか頭を離れなかった。
ムーンライトは特別な映画だという人は大勢いる。そうした人たちの感想を私も楽しく読ませてもらっている。私もムーンライトが好きだ。これは私にとっても大切な映画だ。
ムーンライトのラストに、子供時代の主人公・シャロンがカメラを振り向く場面がある。それを観た時、私は確かに救われたと思った。彼ら主人公と私とでは立場や境遇が違い過ぎる。共感すると言うのもおこがましいかも知れない。それでも私は他の映画とともに、主人公と自分を重ねて観ていた。
ムーンライトは穏やかに終わる。成長して居場所を得たシャロンは、当然のことだが他作品の主人公たちのようではない。前記の三作品はそれぞれに完結していて、現実には、今この瞬間にも苦しんでいる子供たちがいる。
三人の主人公たちが感じただろう辛さは、私の中にわだかまりになって残っていた。シャロンが成長する姿を観ることで、それが癒えた感覚でいる。
私はこの映画たちが好きだ。苦い部分も含めて愛おしいと感じる。これからどう生きていくか、大人になった自分に何か出来ることはないのか、などと考えさせられる作品でもある。
他の人の文章に触れて、ムーンライトについて自分でも少し書いてみたくなった。
もし気になっていて迷っている人がいれば、ぜひ観てほしいと思う。