『うんこ漢字ドリル』は学習教材としていかがなものか的な論調はそもそもまったく意味がない。
あそこの出版社は、例えば「自己啓発本の体裁をとった面白グッズ」とか「写真付きの名言集の体裁をとった面白グッズ」を作り続けている。
それが悪いとかいうことじゃない。ブームを巻き起こすような「面白グッズ」を作るのは凡庸な学習教材や自己啓発本や名言集を作るのより遥かに難しい。
本の形になっているから勘違いしがちだが、そこら辺の「本を作ってるつもり」の出版社では、とてもじゃないが真似できない。
考えてみろよ、秋元康は音楽作ってると思うか? アレは流行そのものを作ってるだろ? ジャニーズとかも同様。EXILEのグループもそう。
文響社もそっちなんだよ。
「完成度にこだわる」みたいな話も勘違いされがちだけど、彼らがこだわってるのは「グッズとしての完成度の高さ」だから。そりゃ面白グッズとして売るんだから当然だよ。
そこ、残念ながら旧来の「本を作っているつもり」の出版社には参考にならないから。
ただし、ひとつだけ、そこは絶対狙ってないと思うけど、「本来の意味での学習教材」として売れている理由もある。
それは、「一冊をきちんと最後まで終えられる(それもかなりの早さで)」という点。
最近の(よくできた)学習教材はどれも最後までどんどん進めるための工夫を凝らしてる。でも、正直、『うんこ漢字ドリル』ほど子どもが一気に最後まで「やりたがる」学習教材は少ない。
そのあたりに、旧来の出版社がまだできることはある。