音が聞こえるか 差別主義者の音が
足が不自由な人への 抑圧になるか
何が傷つけ 何が守られてるか
何が悪くて 悪くないとか 足踏みばかり
進め 或いは肩を貸せ それが道
天秤がゆらめく 音が聞こえるか
皿一杯に オモリの乗った天秤だ
天秤があっても 天秤にはなれない
誰も夢見ない 明日が来るよ
ah...ah...
この日を境に、『超絶平等』に対する反対意見は徐々に大きくなっていった。
中には「むしろ五体満足な人たちが、そうじゃない人たちの真似事をするって方が、かえって差別になるんじゃないか」なんて意見もあったほどである。
そういった意見に対して市長も聞こえないフリをするわけにもいかず、程なくしてこの政策は取り下げられるのであった。
「この『超平等』を取り下げることは真に遺憾ではございますが、皆さんに何らかの“理解”を深めさせた側面はあったと確信しています」
酷い詭弁だと感じたが、ウサク曰く「政治屋は自分のやったことに『全くの無駄でした』なんて口が裂けても言うわけにはいかないので、全くの嘘でなければ大体はこういった文言になる」らしい。
だが何にしろ、マトモな筋道で実行するということを“理解”してほしいと思ったのだった。
俺たちのそんな鬱屈とした思いを、誰が真っ先に爆発させるか。 裸の王様に、裸だと伝える必要に迫られていた。 だがシガラミで雁字搦めになった大人に、そんな役目はあまりにも重...
「貴様が遅刻とは珍しいな」 俺はウサクにその時の出来事を話す。 「それは……あの市長もまた妙なことを」 「おかしくないか? 二足歩行で歩いただけで、足が不自由な人を差別...
俺はその日寝坊してしまい、学校に遅刻しそうだった。 少し焦ってはいたが、それでも急げばギリギリ間に合うレベルだし、何より俺には打算があった。 いつもの通学路を途中で切り...
その日、友人のウサクに誘われて、俺は何らかの会場に足を運んだ。 市長が何か大事な発表をするらしいので、見ておくべきだろうとのことだ。 「お集まりの皆さん、社会に生きる...