知る人ぞ知る的な作家がいた、そいつ自身は何でもなく病気で死んだが作家は親子程年の離れた愛人がいた。愛人は作家の子供と幼なじみで母である正妻とも面識があった。
愛人は作家が死ぬまで相手が作家であることもましてや自分の幼なじみの父であることも知らなかった。作家の死後ある目的で連れてこられたのだ。
ある目的とは作家の売り出しだ、作家はプライベートが見えないことで有名だったのだ。
作家のプライベートは酷いものだった。呼ばれた愛人こそ知らなかったが、作家は愛人同士や妻を自分を巡って競わせ、戦わせるような事をしょっちゅうしていたらしい。
死後作品を発表する事が無くなり、やがて印税が入らなくなることを見越した正妻が愛人達を集めこのプライベートを暴露して金を作り出そうとしたのだ。
愛人は相手が作家とは知らなかったので、まずは作家の作品を読むことになった。
唯一メディア化された作品は女3人がある男を巡って狂っていき、男もまた女の狂気を楽しみながら解体していくスプラッタホラー。
ここまできて愛人は正妻の様子が変わっている事に気付いた。正妻も既に狂っているのではないか?
自分が何か重要な事を隠していると勘違いしているのではないか?
それとも作家はまだ生きていて自分はこの小説のように殺されるのだろうか?
って所で目が覚めた。