真面目に答えず、出来る限り嘘と虚構を織り交ぜて答えていきたい。
例えば君がアイドル好きだとしよう。
でもだからといって、君自身がそのアイドルの服を着たいわけではないだろ?
つまりは、そういうことだ。
……え、着るのか。
ひょっとして、アイドル界における暗黒時代って奴がきているのだろうか……。
確か「店員に服のサイズを尋ねてください」みたいな問題文だった。
私はその問題文にあった隙を突いて、「この店の舞台は英語圏じゃないし、店員も外国の人じゃないから、日本語で答えてもいいですよね」みたいなことを書いて、英語ではなく日本語で答えを書いてやったのだ。
察しの通り、私はもとから真面目に答えるつもりがなかった。
だが、英語の先生は、その問題で貰える点数のうち半分をくれた。
「理屈は分かりましたが、これは英語のテストなので英語で答えてください」といった丁寧な補足を答案用紙に書いて、だ。
私はその時思った。
「え、点数くれるんだ」、と。
今回学ぶべき教訓は、「屁理屈も理屈の内である」ということだ。
詭弁は人を救いはしないが、だからといって役に立たないわけではない。
……念のため言っておくが、君が学ぶべきは私の屁理屈の方ではなくて、先生の理解しようと歩み寄る方のことだからな。
つまり、回答をした時点で私の役目は終わっている。