小学生の頃は1日3回うんこしてた。もりもりうんこしてた。朝、夕方、夕食後。
修学旅行前になると体温など健康チェックする用紙が渡されて毎日記入してたんだが、そこにはうんこ回数の記入欄もあった。当然2回とか3回とか書き込んだ、何の迷いもなく、正直に。
で、修学旅行にそのチェックシートを持って行ったんだが、みんなで体温などはかって記入していると、同室に泊まっていたクラスメイトが俺の用紙をのぞき込んできて、「お前3回もうんこしてるのかよwプギャーw」などと笑ってきた。みんな集まってくる。
そいつのチェック用紙には1回と書かれていた。ああ、イケメンは1回なのか。どうせ俺はキモいオタク。1回しかうんこしないやつらがかっこよくて勇者に見えた。
恥ずかしさのあまり俺はうんこを恐れ、修学旅行中1度もうんこしなかった。2泊3日だったと思うが、それはもうほんとにきつかった。俺はうんこを出さないことでうんこに思考を支配されていた。あまり眠れなかった。
最終日はうんこのことしか頭になかった。周りの連中がバスの中で盛り上がってトランプしているが、俺は引きつった笑顔でカードを眺めながらずっとうんこのことを考えていた。あと何時間我慢すればうんこができるのか。5分経った、さらに5分経った。いいぞ、いいぞ、もう少し頑張れ。
バスで小学校について終わりの挨拶みたいなのをしてるときもはやく家に帰ってうんこするということしか頭になかった。先生たちのくだらないコメントなどどうでもいいからさっさと解散してほしかった。ゴールが近いと思うと集中力が緩んで決壊しそうになる。