ひとりはスタイルもいい美人で、ひとりは顔のでかいちんちくりんだった。
即売会のあいだに色々と誘ったみたいで、知らない人の多い打ち上げだった。
会話中、美人は聞き役が多かったがトロールは自分語りがすごくてめんどくさいタイプだった。
男慣れしてるサバサバ系を勘違いしているのか、エグい下ネタを平気で言ってくるのでちょっと気持ち悪くなった。
撮影のポージングの話になったとき、誰かが「ちょっとコスプレイヤーさん見本やってみてくださいよ~」と言った。
みんな美人のほうをワクワク見つめたが、居酒屋の個室で立ち上がったのはトロールだった。
バカ正直に「えっ?」って言ったやつがいて、「あれ?もしかして私が作家だと思ってました?」とトロールが言い、
みんなが戸惑っているなか美人は「私はコスプレなんて…とんでもない、恥ずかしいので」と謙遜している。
二人の以前からの知り合いはこの事態にとても気まずそうにしていた。
どっちが作家でどっちがレイヤーか誰一人確認しなかったんだよな。一目瞭然だと思ったから。
まさかこの年増の5頭身くらいしかない顔のパンパンなトロールがレイヤーだと思わない。
そのあとはひたすら盛り下がって、トロールだけうるさくてつらかった。
神は残酷だなあ。