東の方にね、猿の群れがいたんだよ。
群れの棲んでいたところは荷物を運ぶ際の中継基地として大事なポイントだったし、
その猿自身も手先が器用だったのかなかなか良いものを作っていたんで、交流しようかと考えたんだ。
まぁ、実際には銃で脅して無理矢理だったけど。
で、この猿ども、中々知能が高くて、俺たち人間と同じ兵器を作り出したんだ。
そりゃもうこっちが驚くぐらいの吸収の速さで。
それでついに他の種類の猿の群れを侵略し始めたのさ。
もう連戦連勝。
「俺ら人間は戦艦10隻まで。お前らは7隻まで。アンダスタン?」
てなことを言ってやった。こちらとしては猿相手にずいぶんと譲歩したんだよ。
そしたらその猿、そんな条件は飲めないって怒り出した。
ありゃ酷かった。
猿のくせにやたら強くて、俺たちも散々にやられた。
それでもこちらの物量が圧倒的だったから、少しずつ少しずつ追いつめてやった。
なのに諦めない。群れ全員が死ぬまで抵抗するとかほざきやがった。
だから、開発中だった新型爆弾を実験がてら落としてやった。2発もね。
それでとうとうあきらめたから、そのあとは俺たちが占領して教育してやったのさ。
ところがそうでもないんだ。
最近になって
とか言い出す奴が出てきた。猿のくせに、一丁前に。
こっちがやっとのことで戦いを終わらせてやった、その機会を与えてやったってのに、まるで自分たちが被害者だったかのように言ってきやがる。
とか言い出した。
何もわかっちゃいない。
これは、その猿どもがいかに危険な存在だったか、そしてこれからも十分注意していかなきゃならないってのを後世に伝えるためにやっていることだ。
大事なのは正確に記録することなんかじゃなくて、その猿どもがいかに凶暴で厄介な連中だったか、なんだ。
全く、猿のくせに、俺たち人間のやることにあれこれ口出してきやがって。
うっとおしいったらありゃしない。
ニートは暇そうだな