このあたり、異業種が組み合わさった場合、難しいんだよね。
営業+技術+海外折衝+総務なんてな4人の場合、どれを外すにしても、まずは代わりを見つける必要がある。
20時間働いて創業期を支えた(言い換えれば事業として成立させた)能力やコネは、決して安くはない。
その上、新しい従業員には仲間としての意識もないのだ、リソースとしてはどうしても落ちるものになる。
ここで決断を遅らせると、なまじ金は稼ぐものだから、従業員を単なる人足として雇い、バイトのように使うようになる。
事業の基幹部分は誰も触れず、属人化が進むが、当人たちは自分をエキスパートと言い始め、それを誇るようになる。
曰く「他人にはできない仕事」。
ぶっちゃけ、他人が関われない仕事は2流以下だが、当人たちは「他人が関われない仕事をする俺スゲー」と思い始める。
正社員が仕事を回すことは、当初営業でも売りになるが、それも社員が20台の頃で、当然にして30台40台になった社員を食わせるだけの売り上げ拡大が望めない。
俺の居る会社がまさにこれで、その連中の能力が衰えるころには、過去の成功体験にしがみつく惨めな老害の出来上がりだ。
「うちにしかできなかった仕事」は一般化陳腐化し、安い仕事でしかなくなる。
そうなると、技術や海外班から、「営業が悪い」の声が上がり始める。
会社の存続をかけた会議で、経営方針の切り替えを唱えると、「そんなことするくらいなら、もう畳んじまえ、こんな会社」と言ってはばからない連中が、役員としてでかい顔をする。
抱え込んだ社員は、「あいつらはどうせ使いもんにならない」と宣言し、責任放棄。
そういう風にしか会社を動かさなかったのに、結果の産物について責任を負わない輩は、責任者でもなければ役員でもないな。
当然、鼻の効く者は逃げを打つし、どうにもならないものは、泣きながら仕事をする。
マジに言うが、決断は早ければ早いほどいい。