そう考えて眠りにつくのは6年ぶりくらい。
久しぶりに家にいたくないと思って出かけた。
実家なのにね。
1年半前まではじいちゃんがいた。
その1年前にはばあちゃんもいた。
母が亡くなってもう何年だろう。
いや、死んだのを見つけたのが今日。
ごめんね。
一緒に選んで、驚くほど大きくなった子なのにね。
じいちゃんが昔魚釣ってた川に流してきた。
向こうで会えるといいな。
じいちゃんとばあちゃんと昔飼ってた犬と仲良くできるかな。
母代りになろうと頑張ってくれたばあちゃん、
二人とも大好きだよ。
喫茶店で何でも好きな物頼めって言ってくれたけど、遠慮してごめんね。
メニュー見てもよく分からなかったんだよ。
ばあちゃんが喋れなくなってもマッサージして、唇読もうと頑張ってたね。
俺の掌に文字書いて伝えてくれてたね。
もうあと数時間って医者に言われて、ほとんど意識ないのにじいちゃんが水をあげたら飲んでた。
ごめんね、ばあちゃん。
あの日俺もっと早く帰ってたらじいちゃん助かってたかもしれないんだよ。
前日から風邪気味で調子悪いって言ってて、当日の朝はびっくりするくらい大きな音量でテレビ見てた。
きっとあれは前兆だったんだ。
なんであの日昼過ぎに家に帰りたいって思ったんだろう。
ごめんね、じいちゃん。
曾孫に買ってあげたランドセル、背負うの見てないよね。
買ってあげたピアノの音も聞いてないよね。
アレルギーで困ってた方は、今じゃもう何でも食べれるよ。
この前、お月様にむかってじいちゃーんって言ってたらしいよ。
じいちゃんは空に行ったって言ったらそうしたんだって。
じいちゃん、ばあちゃん、
会いたいよ。