石原慎太郎都知事は3月14日、「日本人のアイデンティティは我欲。日本は津波を利用して一度我欲を洗い落とすべき。震災は天罰」と発言。
翌日には謝罪・撤回したが、30日に行われた支持者向けの集会で再び「今回の震災は天からの警告」と発言。(ソースはここ)
どうしても石原氏は「日本がおかしくなったことに対する、天からのメッセージ」であるということにしたいらしい。
それがいかに思い上がった発言であるかという理由を以下で順を追って説明する。
1.そもそも天と人とはどういう関係にあるか。
そもそも天は人に対して天命を下して政治を行わせ、もし天命を受けた者が正しい政治を行わなかったら天変地異を起こして『正しい政治が行われていない。対策をしないと天命を去らせるぞ』と警告する。
2.では天命を受けた者は誰か
古い言葉に「天に二日なく、地に二王なし」という。天命を受けることが出来るのは中国の指導者ただ一人である。
天命は人から人に譲り渡すことが出来る。かつて堯舜の時代は、禅譲により前任者が後任を選んでいた。堯や舜の息子には徳がなかったが、舜から禅譲を受けた禹の息子である啓には天命を受け、王となる徳があった。
だが禹は「ここで息子に禅譲したら、万民の天下ではなく夏の一族の天下となる」として拒んでいたが、結局のところ万民は皆、啓を王として認めたので啓が王となり、以降王は親から子へと受け継がれるのが慣例となった。
ここで重要なことは、天命をどう受け継ぐかは人が決めることである。現在の中国では指導者をなにやら複雑なやり方で選んでいるようだが、それに皆が従っている以上、天はそれに介入できない。
従って、現在天命を受けているのは中国の胡錦濤国家主席に他ならない。他には存在しない。
天は(アブラハムの一神教の神とは異なり)言葉を発しない。その代わり最初に書いたとおり、天は災害を起こすことにより「天命を受けた者」に対して警告する。当然、そのやり方は天命を受けた者が警告だと受け取るやり方で行われる。
そして、天が天変地異を起こして警告する相手は「天命を受けた者」に対してのみである。天命を授かっていない、正当でない政権に対して天変地異で警告を発することはない。
4.石原発言の何が問題か
石原慎太郎は今回の震災について天からの警告であるとしている。つまり石原氏は日本人が天命を受けていると考えている。すなわち『中国に国家的正当性はなく、中華地域を治めることの正当性は日本にある』と考えていると言うことだ。
これは大変な思い上がりである。中国を治めることの天命は中国共産党が受けており、日本の天皇が受けているわけではない。石原慎太郎の中国への野心を感じる侵略的発言について、我々は断固として抗議する。
普通に突っ込むけどもしネタだったら御免ね。 従って、現在天命を受けているのは中国の胡錦濤国家主席に他ならない。他には存在しない。 現在の中国には天子はいないので国家主席...
ネタで書いた文章に本気で付き合ってくれてありがとう。長文ネタを書いた甲斐があったよ。
横だが ・ネタである部分、つまり「変な理屈で石原をたたこうとしてる」ってとこと ・突っ込みで指摘されてるような「天命について誤認が多い」ってとこ 前者はネタであるからオ...