2011-02-07

修士論文の代わりに退学願を提出してきた - As a Futurist...

http://blog.riywo.com/2009/02/27/120733

 

 大学学生支援をする仕事をしていたけど、この人は大学に退学願を出せるだけ良かったんじゃないかなと思う。

 私がしていたところは主に「大学に来られない」とか「教授からパワハラがあって」とか「退学したい」という悩みの学生が多かった。

 上司相談にのり、私たちが奔走するというのが流れだった。

 思えば私がここで働き始めたのはそこで世話になったからだったか

 ただ、退学願の提出については私と上司には差があった。

 私は別に退学しても良いと思っていたし、踏ん切りが付かないなら休学でもしておけばいい。

 上司は退学なんて絶対にダメだし、そんなことをした人生後々どうなるのか分からいから絶対に卒業させないといけない。

 全く逆方向だったが、それはそれで別に良かった。 

 ただ、卒業のために私たちが過剰に踏み込んでしまったことだけは今でも後悔している。

 レポートを代理で書いたり、場合によっては卒論さえ私たちが書いた。

 講義担当教官に「こういう事情で」と説明しに行き、単位が取れるように取り計らったりもした

 授業計画も私たちが立てたりした

 上司からの命令なので私には拒否権もなく、与えられた仕事をこなす。それだけだった。

 今でも思う。当時担当した学生さんたちには申し訳なかったと。

 きっと私たちは彼らのできることを奪ってしまったのではないかと。

 私たちが手を出したとしても、代理でしてしまったのは彼らのためにはならなかったのではないかと。

 他の学生さんにも申し訳なかった。

 教授達にも申し訳なかった。

 大学学問の府だ。

 学生がしっかりと学べるように支援できるならと思っていたのに、いざとなってみれば私たちがしていたことは学問への冒涜だった。

 言葉は悪いが、私たちが支援という名の下でレポート卒論を代理で書いて、強制的に卒業をさせた学生さん達は今どうしているのだろうかと頭をよぎる事がある。

 卒業して、それから連絡がくることは殆ど無かった。

 どうしているのか分からない。

 彼らに憎まれていないだろうかと不安になる。

 大学に全入学と言われるようなって久しいが、大学は一体何のためにあるのかを改めて考えさせられた。

 そして辞めたあの職場では今日も「支援」という名の冒涜が行われているのろうか。

  • 関係無いけど、本質的にアカデミアに興味無いそのブログのような人は勝ち組だよ。 俺みたいにアカデミア(というかサイエンス)にしか本質的に興味無いタイプは生きるのが大変すぎ...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん