2024-01-13

https://www.businessinsider.jp/post-280086 アメリカが約50年ぶりに建設許可を出した「溶融塩原子炉」とは

https://www.businessinsider.jp/post-280086

溶融塩炉1950年代から存在していたが、アメリカ1970年代にそのほとんどを見限り、それまでにすでに多くが建設されていた水冷原子炉を支持した。

 

だが近年、ケイロスをはじめとする企業研究所が、塩冷式原子炉を再検討しはじめている。

 

工学上の細部が決着すれば、冷却材としての塩は、水よりも断然優れている」とスミスはBusiness Insiderに話した。

 

溶融塩炉は、高温で水を液体に保つための分厚い圧力容器を必要としないため、設計上の柔軟性が高まるスミスは言う。

 

たとえば、原子炉水冷式よりも小型化され、さまざまな場所につくることもできる。

 

「言ってみれば溶融塩炉は、溶融塩炉以外では不可能な、設計上の多くの選択肢を開くものだ」とスミスは言う。

 

「低圧のパラダイムへ移行すれば、建造がずっと容易になる」

 

へき地や船舶、大規模発電所など、「溶融塩炉は、あらゆる領域で次々に導入されるだろう」とスミスはつけ加えた。

 

実験炉「ヘルメス」の仕組み

ヘルメスは、最高で華氏1200度(摂氏650度)で稼働する。だが、冷却材である溶融塩(FLiBeと呼ばれる、フッ化リチウムとフッ化ベリリウムの混合物)の沸点華氏2606度(摂氏1430度)で、炉心の温度よりもはるかに高い。

 

したがってFLiBeは、稼働時の高温でも液体の状態に保たれ、圧力を加える必要はない。そのおかげで、原子炉建設が容易になり、コストも安くなるはずだとスミスは言う。

 

ケイロス・パワーが提案する燃料も、従来の原子炉のものとは異なる。同社は「TRISO」(TRi-structural ISOtropic:三重等方性)被覆燃料粒子(ウラン酸化物を黒鉛セラミックスで被覆した粒子型の燃料)を用いる計画だ。

 

エネルギー原子力エネルギー局によれば、この燃料は、現行の燃料と比べて極端な高温に耐えられるため、核分裂生成物が放出されにくいという。

 

残る課題

溶融塩炉には、腐食抑制をはじめ、いくつかの課題がある。

 

スミス腐食について、「酸素はいわば、溶融塩が腐食する際の原動力だ」と説明する。そのため、塩が酸素さらされる状態抑制することが課題になっている。「まったく同じプロセスではないが、原理としては、他のどの冷却材とも変わらない」とスミスは言う。

 

化学制御する必要がある」

 

また、溶融塩炉が抱える他の欠点について、カナダブリティッシュコロンビア大の物理学者であるM・V・ラマナ(M.V. Ramana)教授2022年、「数種類の廃棄物の流れが生じるが、そのすべてについて徹底した処理が必要となり、廃棄に関連した課題に直面することになる」と書いている。

 

スタンフォード大学研究者などが2022年に発表した研究によれば、溶融塩炉で生じ得る核廃棄物は、現在システムよりも多く、「用いられる燃料と冷却材は、腐食性および自燃性が高く、照射後は高レベル放射性になる」という。

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