2022-11-20

監査請求情報公開請求公益目的でなければ免責されない」は嘘

藤氏やColaboを巡る監査請求情報公開請求(以下「監査請求等」という。)について、「公益目的でないから免責されない」とする意見散見される。

不正疑惑があれば監査請求は当然。しかしそれが根拠なしであれば、それも当然名誉毀損になる。疑惑であっても名誉毀損は成立する。暇な人は公益目的ではないと言っているので、免責もされない。

他にもなんとTwitterでは弁護士が同趣旨のことを述べていた。

これ、理論的にはその通りであるが、実質的にはほぼ100%免責されるので説明しておこうと思う。

かに監査請求等について濫用認定され、損害賠償請求をされることはありうる。

ただし、それは同じ事柄について何度も何度も監査請求等を行ったり、何千ページにも及ぶ情報公開請求役所業務を遅滞させる目的をもってする場合など極々例外的ものだ。

今回の監査請求等にネガティブな人は、仁藤さんやColaboに対する監査請求がそれに該当するから濫用である、その理由私怨からだ、と言うのだろう。

しかし、濫用と認められる可能性はほとんどないと言える。

何故かというと、監査請求等を行った者の動機が"100%私怨に基づくもの"と証明する必要があるからであり、事実上不可能からだ。

(発端が私怨であったとしても、1%でも「都民であり税金の使い方に疑問を感じた」と述べればクリアされてしまう)

適した事例がない(そもそもこの程度で役所濫用判断しない)ので別分野の事例となるが、相続税逃れのために孫と養子縁組をして控除枠を増やそうとした事例がある。

養子縁組は、真に親子関係になることを目的としなければ無効100%節税目的では無効)とされているところ、判例を見てみよう。

相続税節税のために養子縁組をすることは,このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず,相続税節税動機と縁組をする意思とは,併存し得るものである

したがって,専ら相続税節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がな いとき」に当たるとすることはできない。

最判H29.1.31

まり、主目的節税だとしてもそれだけで無効とは言えず、親子関係にする意思が併存していればOKという理論構成になっている。

本件監査請求等についても同様の理論構成が取られ、濫用となる余地はほぼないだろう(誰が「公益目的が全くない」と証明できるのか)。

はてブは単なる無知によるものと思われるが、これを知りつつ濫用を匂わせる弁護士スラップ訴訟に近い悪どさを感じる。

  • 暇空氏はその辺完全に理解してそう(弁護士に相談してる?)なんだよな 「はじめは私怨で調べ始めたけどいろんなところに矛盾を見つけて税金の使われ方として憤りを覚えた」 とか述...

  • 「公益目的じゃないから免責されない」というのは名誉毀損罪の話だよ。そしてその成否を判断するのは役所じゃなくて裁判所。 〇〇は嘘、って書く前に反論している相手の主張の内容...

  • そもそも、同じ相手に同じ内容のことを何度も繰り返しやるのなら濫用に当たるけど、 各件につき少数回のものをいろんな内容に対してやる場合には濫用とはなかなか認定されないよね...

  • そもそもこのレベルで濫用認定されちゃったら、全国の革命おじいさんたちが数百人は損害賠償請求されちゃうよって

  • いろいろメチャクチャなんだけど、国家資格の専門職の内容に首突っ込むんだから最低限の経歴なり所属なりをぼかしてでも書いてよ。 それが真実だとは証明できないけど、ないよりマ...

  • 平 裕介 @YusukeTaira 住民監査請求について権利濫用(不法行為)になるので損害賠償請求の対象となるという構成はあまりに迂遠だろうと思われるので、端的に、住民監査請求に関する表...

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