2019-07-08

anond:20190708123053

ちゃんとした診断」って何なの、という話はまあ置いておき「正しい診断」「妥当な診断」に置換しておくことにして……

もうかなり昔の話だがな。あるスポーツ関連をフィールドにする記者がいた。この記者過去にも何度か周囲とトラブルを起こし、暴れることがあった(ただしただ粗暴というのではなく、相手不正などを見たとき我慢ならなくなる性質だったらしい)のだが、あるとき結婚していた妹の家で親の介護問題について話し合っていたときに激昂、家具を壊すなどして、とうとう警察を呼ばれた。警察は彼を拘束、妹夫婦はすぐに告訴取り下げをしたにも関わらず拘束は続き、その中で行われた精神鑑定で「精神病質」との鑑定結果が出たため、彼は多摩病院措置入院ということになった。

彼は病棟でひとりの若い女性と知り合ったのだが、この女性ロボトミー一種であるチングレクトミー(脳にメスを入れ、前部帯状回外科的に壊す手術……まだ「精神外科」という分野が盛んだった頃の話)を受けさせられ性格が一変、手術の一月後に首を吊って命を絶った。このことに激昂した彼は執刀医に詰め寄ったのだが、なんと病院側は、彼の母親に十分な説明もないままに承諾書サインさせた上で、彼に肝臓検査と偽って麻酔をかけ、彼にもチングレクトミーを行ったのだ。彼が逮捕されてから8か月後のことだった。それから4か月後、ようやく彼は退院したが、その後は度重なるてんかん発作に襲われるようになった。美しい事物に感動できなくなり、ライターとしてエキサイティング文章を書くことも困難になり記者廃業する。言うならば、彼は医師傲慢にして誤った医療措置人生を失ったのだ。

手術から15年後。彼は執刀医に復讐を敢行した。家を探し出し、執刀医の帰宅する時刻を調べ上げ、帰宅前であろう宵の口にデパート配達員を装って訪問、執刀医の母親と妻を縛り上げた。執刀医はたまたまこの日に送別会があったため帰宅が遅れ、(元)記者は縛り上げた二人を殺し、物盗りに見せかけるために執刀医の給料袋と妻の貯金の入った通帳を奪い逃走した。てんかんの発作を抑えるために大量に服用していた睡眠薬のため、池袋の改札前で手錠を落としたのを見咎められ、血の付着した凶器給料袋が見つかり、逮捕されたのだった。

……まあ、色々な意味で最悪なケースだが、こんな話もあったっけ。蛇足ながら書き添えるが、ロボトミーの考案者にしてノーベル医学生理学賞を授賞したエガス・モニスも、かつて自分ロボトミーを行った元患者に銃撃されて脊髄を損傷、身体障害を負っている。

記事への反応 -
  • 暴れたり医師に暴行する人いるの? 報道されないだけで実際いるよね?

    • 「ちゃんとした診断」って何なの、という話はまあ置いておき「正しい診断」「妥当な診断」に置換しておくことにして…… もうかなり昔の話だがな。あるスポーツ関連をフィールドに...

    • せっかく苦しくて病院きたのに軽くあしらわれたらキレたくなるじゃん 予約取るのだって大変だったのに

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん