つい最近まで、小さな会社を親がやっている男と食事をしていた。
小さな会社だけれども、男の親は金持ちだったので、普通の学生の数倍は高いものをよく一緒に食べていた。
男は自分よりも長くこのゴミ大学におり、このゴミ大学から素晴らしい大学へぬけ出すために勉強をしている人間だった。
男と自分はなんだかんだ趣味も考えも合わない人間だった。頭は良いがどこかDQN趣味で考えというような雰囲気がした。
そして、低い自分よりも背は低かったが、セックスには困らない汚くない顔だったし、健康だった。
最近のある日、そんな男と食事をしていた時に自分は軽く自分の父親が人魚飼いだと言った。
その時は男は聞き流していた。
無理ですと伝えた。そして、なにを話したいのか聞いた。
他の日なら来れるかと訊いてきたので、それも無理ですと自分は言った。
非通知でかけた。
すると、男は自分の父が大切に飼っている人魚の血が皆に売買される予定はあるかと聞いてきたのだ。
そして、まだ皆に売買されていない血を分けてほしいと言ってきた。
3000万円分の血を分けて、皆が売買し始めた時に、その売却益の1/3をお礼に払うとか言う、紛れも無く自分が損をする話だった。
もし、ダメなら自分から書類上だけ3000万円を受け取ったということにしても大丈夫だとかいう紛れも無く違法でこちらが得をしない話をしてきやがったのだ。
事実をいうと、決まりごとで、人魚の血を簡単に人に渡すことが出来ないので、残念ながら自分が応じたところでどうにもならない。
自分は、男に父の人魚のことは全くわからないと答えて、それ以降連絡を取っていない。
彼は自分の父が飼う人魚を調べて、そしてその人魚が予想以上の大きさで、富を生んでいるということを彼は彼の父親に伝えたのだろう。
そして、彼は彼の父親に言われたことを伝えてきたに違いない。
関係を壊す可能性があるとはなんとなく分かるはずだが、このようなことを真夜中に伝えてくるのだから、その程度の価値しか自分にはなかったのだろう。
結局、金なのだった。
もし、自分が顔がいい女だったら、あの男はセックスはしたいと言ってきたかもしれないが、人魚の血がほしいなんて言ってこなかったはずだ。
性的魅力がある女は、セックス目的で近寄ってくる人間と触れるごとに自己肯定感を得ていく。
しかし、性的魅力がない醜い自分は結局どこまでもいかに自分から金を分離させようかという人間しか来ないのだ。
肉体が愛されたかった。
やり直し。物書きに向いてないよお前
彼には人魚の血があるから、物書きになんかならなくていいんだよ