2015-10-14

シリア難民トレスのあれの偶発

 なんかいつのまにか「漫画家」ってことになってるらしいけど、あの騒動以前に彼女を「漫画家」として認知していた人間がどれだけいるのか。

 職業漫画家イラストレーターじゃなくて、絵を描けるレイシストって(よく知らないけど)多分いっぱいいる。

 おそらく、差別的な絵ってのはこれまでにもいっぱいあった。そしてそのほとんどが話題に上らず消えてきた。

 そんななかで、なぜ「アレ」だったんだろうか。

 なぜ「アレ」はそこまで「特別」になれたんだろうか。

 

 そもそもみんなよく彼女を叩けるなあ、と思う。

 彼女がかわいそうだから、だとか、擁護に値するから、ではない。

 まったく理解不能な人にしか見えないからだ。もっといえば、病院に入ってるべき人にしか見えない。リアルに。

 そういう人を叩いたところで病気が治るわけではない。それが一定の勢力を持っているならともかくほとんど無視されてる一個人であるなら無視したほうが経済的な気がする。

 彼女はまあレイシストなんだろう。それにしたって属しているコミュニティ立ち位置がわかりづらい。

 在日朝鮮人アイヌ差別するならわかるし実際彼女もやっている。わかりやすい。共感はしないが理解はできる。しかシリア難民である。なんでそんなものに(間違った)当事者意識を持てるんだ? そしてそれを叩いたところで彼女は何を得られるんだ?

 レイシストにはレイシスト合理性がある。一番わかり易いのは「あいつらのせいで俺らが損をしている」だろう。

 しかしどうみたってシリア難民は何も奪えやしない。風が吹いたら桶屋が儲かる程度のバタフライ効果はあるかもしれないが、そんなもん誰が気にする?

 その非合理が彼女をローンウルフレイシストに見せている。彼女はおそらくレイシストとしてマジョリティではない。どころか、一人ぼっちかもしれない。素朴なネトウヨと繋がってないこともないが、彼女はたぶん中核ではない。

 アンチレイシスト立場からしたって、アレを潰したところで何が得られるのか、よくわからない。

 まあ見えてしまったゴキブリを潰したがる心情はわかるが、それにしても腑に落ちない。

 誰も彼も非合理に動いて火の手だけがふくれあがっている気がする。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん