2015-07-10

[]がんばろう

 (自分身の回りの世話を一心に引き受けてくれて金銭支援もしてくれるうえに精神的にも支えになってくれるまるで理想母親のような)配偶者が欲しい,という弱音が最近気を抜くと口から出そうになっていることに気付く。そうした弱音を抱いている自分の心の弱さにもはたまた落ち込んでしまう。セックスできる母親,とはよく言ったものだ。私は女性でおそらく異性愛者だが,こうした文脈で弱音を吐くと「セックスできる父親が欲しい」にはならず決まって「セックスできる母親が欲しい」になるのが面白いところだ。現実世界の実の母親は,嫌いではないが格別好きというわけではない。弱音の妄想の中にでてくるセックスできる母親はいだって理想であり,だから手が届くはずもない。

 薄給の身で一人暮らしをしている,という状態はおそらくディスアドバンテージなのだろう。田舎暮らしなので家賃はそれほど高くはない。けれど,一所懸命生活をしているはずなのに,どうしてこんなに時間がないのだろう。どうしてこんなにぐったりしてしまうのだろう。それはおまえが怠けているからだ,もっとがんばればいいところをなあなあで甘えてきているからだ,と思い込んできた。けれど自分自分を詰っても何の解決にもなりやしない。高給取りの知人や,同じく薄給取りではあるけれど実家暮らしだったりする人間と会話をする行き場のない黒い感情で心が塗りつぶされていく。友人と会うのがしだいに苦しくなっていく。自業自得,そんな言葉が頭がよぎる。これは自分で選んだ道なのに。

 きっと一人暮らしに疲れてきてしまったんだろうな。

 でもがんばるしかないんだ。

 がんばろう。

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