2015-02-27

上場を機に退職してもいいと思います

上場により、会社の持分たる株は公に取引されるようになり、会社社会的存在となります。つまり会社社会機能の一部を担当し、誰でもその会社の持ち主になることができる存在になります。そして、会社株が有価証券として安心して市民の間で取引されうるよう、会社事業とその運営に安定性が求められると言えると思います

ベンチャー創業して軌道に乗せるというのは、大変なことです。創業者だけで何とかなるものでもなく、創業時の挑戦を支える有能なメンバー献身的努力があればこそ、ベンチャーはその描いたビジョンを実現してそれまで存在しなかった事業確立し、さら会社として事業継続していける状態になります。その意味では、創業後しばらくの間はメンバー属人的能力依存しますし、途中でメンバーが抜けていくことは会社のためにはマイナスであると言えるでしょう。

しかし、さら会社が大きくなり、上場して社会的存在となっていくためには、会社メンバー構成が変わっても事業継続していける体制確立し、会社ビジョン共鳴した新たなメンバー会社に加えて事業継続・成長させていけるようにすることこそが大切だと思います。もちろん、有名なところではGoogleのように、公開会社という立場になっても創業者議決権の過半数を保有し続けて、創業者属人的関わりを重視し続ける企業もありますが、Google例外の部類と言えるでしょう。

この意味で、僕は創業時を支えたメンバー上場を機に会社を去っていくことは極めて健全であると思います。本人の立場になって考えてみても、創業時を支えるような能力好奇心を持ったメンバーにとっては、最初の頃に色々な無茶をしながらも会社を形にしていき、自分たちのしていることがお金になって事業化していくことの興奮に比べれば、安定を第一としなければならない上場企業をじっくり成長させていくというタスクには刺激が足りないとも思えます。たとえ社内の新規事業開発に関わって行くにせよ、株主に説明可能な形を保ちながらの立ち上げというのも非常に面倒なことです。また、上場という形で自分のやってきたことが一段落し、一旦終わりとしたいという思いもあるでしょう。長い間頑張ってきて、燃え尽きたというのもあるでしょう。いずれにせよ、上場に至るまでの長い道のりを支えてきたことで、そういった方々は十分職責を全うされたと言って良いように思います

社会全体にとっても、ある会社創業のコアメンバーとして活躍したような人が、その能力をまた他の会社創業に貢献するために活かしたり、違う分野での活躍の場を探し求めていくことは有効リソースの使い方であり、望ましいことです。

究極的に言えば、創業者創業メンバー成功とは、会社ビジョンが受け継がれていく仕組みと体制を作り、会社自らが新陳代謝を繰り返して成長していくサイクルに乗せて、自分たちは身を引くことなのではないかと思います自分たちの作ったものが、自分たちの手を離れて、自らの力で事業継続し成長していくのを見守って行くのは、会社にずっと自分たちが関わり続けていくのとはまた違った喜びがあるはずです。そういうことができる創業者創業メンバーたちには、どんどん新しい事業に関わってもらって、雇用を増やし、社会活性化させていくことに貢献してもらうのが良いと思います

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん