2014-01-13

貧相な日本住宅

実家は、不人気駅から駅徒歩25分のマンション。同じ市内の駅徒歩5分の物件と少し迷ったが、母の意向もあり、外観が気に入った今の家を選んだそうだ。インターネットで調べると、駅徒歩5分の物件は、築30年以上経った今も、中古価格1000万超。実家は、駅距離以外の悪条件も重なり、数年前から1000万を切り、条件の悪い部屋は売却まで1年以上かかった。資産価値を考えるなら、基本的に、駅から近いほどいい。価格と外観を重視した両親は貧乏くじを引いた。

同じ轍を踏むまいと、結婚後、駅近くの新築マンションを購入した。将来的にもっと安くなると思い、ずっと賃貸アパートに住むつもりだったが、「駅からの距離」で選んだため、室内環境劣悪物件に当たってしまい、暖房を付けないと部屋のなかで息が白くなるという寒さに耐えられなかった(ずっとマンションだったので、こんなに寒いとは知らなかった)。ほぼ同じタイミングで、配偶者兄弟と友人も家を購入。こちらは駅徒歩1020分程度の一戸建てだ。駅から遠いものの、成長中のエリアのため、資産価値はそこまで下がらないだろう。

住宅は、生涯で一番高い買い物。賃貸でも、同じ程度の内装・広さを求めると、購入する場合と同じくらい費用がかかる。しかし、前に住んでいた賃貸アパート新築一戸建ても、冬は寒く、南向きにも関わらず、日当たりはあまり良くなかった。安普請賃貸アパート100倍くらい外観がきれいな新築戸建ても、寒さはそれほど変わらなかった。マンション暖かいが、「自分の家」という感覚はなく、管理費などを考えると、実質的に持ち家/賃貸に差はない。戸建て派には、最初から「ありえない」選択だろう。高層階のため、今は日当たりはよいが、周囲に高い建造物が建つとたちまち悪くなる。

なぜ、個人年収の7倍以上の金額を借り、35年や30年の長期ローンを組んで、日当たりがよくなく、狭く、駅から遠い家しか購入できないのか。特に一戸建てアパートの寒さ(断熱性のなさ)は、省エネ観点から早急に改善したほうがいい。住宅ローンを組めるだけ恵まれているとわかっている。良質な物件があれば、そもそも賃貸のままでよかった。収入が低いのに、親と同居せず、別世帯として暮らそうとした自分が悪い。不満の原因は、絶対的予算不足。この30年間、モノはどんどん安くなり、パソコン家電は大きく進化したが、住環境は、水回りを除き、あまり改善していない気がする。むしろ、日当たり・通風・広さは劣化している。子どもの頃に遊びにいった友人の一戸建ての家は、どこも立派な庭や玄関があった。今は、豪華なのは建物外観と共通化したシステムキッチンだけ。リビング収納スペースが広くなった分、寝室などの部屋は狭くなった。ホントに何とかしたほうがいい。これまで賃貸VS持ち家、戸建てVSマンションの論争を数多く読んだけれど、現状では、どちらを選んでも負け。

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