友人に「好きな芸能人は?」と聞かれたので、私は「桂歌丸」と答えた。
そうしたら友人は驚いた顔で「骨と皮じゃん」と言ったのだ。
解せぬ。私は内心そう思ったが、曖昧に笑って別の話題をふった。
なぜ好きなのかをうまく言語化できず、言い返すことができなかったからだ。
子供の頃、毎週日曜は家族で晩ごはんを食べながら笑点を見ていた。
私は漫画でも小説でもゲームでも映画でも落語でも、人間の作るものが好きだ。
それらの根っこにある生と死に対するまなざしが好きだ。
そのまなざしを通して見ると、生きることも死ぬことも悪くはないように思えてくる。
私はもうすぐ40歳になる。
顔のシミやら首のシワやらよりも余程目に付く、曲がった背骨。
慌てて姿勢を良く保とうとしても、筋肉が衰えていて数分経てば元通りである。
自分の曲がりくさった骨とだらけきった肉を目の当たりにして、思い出したのは歌丸さんの佇まいだった。
「骨と皮じゃん」と言った友人に、今ならこう言い返したい。
あの年齢であれだけシャンとしているなんて、素晴らしい骨じゃないか。
骨と皮だけに見えても、あの姿勢を保てるということは静かに燃える肉がある。
私はその肉が、そこから見えてくる意地が格好良くて好きだったのだと。
私がいつ死ぬかは知らんが、死んだら天国で笑点を見たいと思う。
笑点のテーマを聴いて、それから歌丸さんと楽太郎さんの掛け合いを見たい。
私なら乙アリスと答える いやー、かわいい
ワイも乙アリス好きやで。 乙アリスのアナルセックス最高やで。
俺は小沢アリスのほうが好き
スネ夫?
骨と皮 燃える意地あり 知らぬかと 姿勢で語る その人の芯