2024-08-11

増田はあるジャンルで一番になりたかった

増田は愚直で、情報に強いわけでもなく、ただそのジャンルのことが好きだった

競争相手はたくさんいた

他の参加者たちがF1カーでスピードを出してびゅんびゅん進んでいく中、増田は旧ホンダシティに乗りのろのろとコースを走っていた

F1カーの彼らは知人からネットから情報を受けとり、もっと効率の良い方法もっと勝率の良い方法を学び、すぐに実践し、彼らはますますスピードを上げていった

それに対して、増田自己

我が道を行くように、スピードを変えず、淡々と走り続けた

レースは途方もなく長い

やがて多くのF1レーサーは疲れてしまい、全速力で走るのをやめた

飽きてしまい、自らコースアウトをするものも多かった

増田は同じ速度で淡々と走り続けた

やがてセオリー必勝法は通じなくなり、嫌気が差したレーサーたちが引退した

忙しい

他にやることができた

そんなのは学生がやることで、学生時代に卒業することだから

やって何の意味があるの

それから多くのレーサーが引退した

増田は旧ホンダシティのまま、速度を緩めず、早めることもなく走り続けた

今や多くのF1レーサーが脱落していた 

最後まで完走できたのは増田のみだった

それでも増田はそのことを知らず、速度を緩めず、早めることもなく、ただ今も走り続けていた

  • 誰も見向きもしないジャンルでも、最後までしがみついていれば「完走した」つもりにはなれるよね。

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