夜道の独り歩きが怖いのはわかった。
ていうかとっくの昔にわかってる。
子を持つ父親や彼女を持つ彼氏でなくても、女の夜道の不安さや心細さくらいくらいわかる。
女が何に怯え何を我慢し何を耐えて生きてるかくらい、だいたいのところはわかってるつもりだ。
なにしろ近年はどっちを向いてもそういう怨嗟を目にする機会ばかりだからな!
それをどうだ、「あんたたちどうせ何もわかっちゃいないでしょ」みたいな顔してくる。
「わかってるよそのくらい」「いいえ本当のところはわかってない」「わかってるってば」「ちゃんとはわかってないでしょ」
何?この不毛な水掛け論。
男だってホラー映画や犯罪映画の怖いシーンは怖いし、現実のオバケだってもちろん怖い。
ヤンキーに囲まれたら震え上がるし、黒塗りのアルファードに煽られるのだって怖い。
女のほうがか弱くて怖がりという一般的な傾向のぶんの係数を掛けて「女は俺の2倍から10倍は怖いんだろうな」と考えるくらいの想像力もある。
何をもって、「男は女の苦しみをわかっていない」とするのか。
心のどこかで「この苦しみは女でないとわからないはずだ」と思ってるからか?
違うよな。男には本質的にわからないものならば、わからせようとする営みじたい無意味だ。
おそらく「同じ苦しみを味わっていないから」だ。
実際に経験せず、想像力だけで「それは怖いでしょう」と口にするのは、女にとっては真の理解とは到底言えないレベルなのだろう。
女が「男も女の苦しみを理解しろ」と言う時、それは「苦しみを軽減しろ」と言っているのではない。
「同じ苦しみを味わえ」と言っているのだ。
老人に「老眼で読みにくくてかなわんなあ」と言われた時にはこんな長文で発狂せんでしょ お前にはない不便さを感じてる奴にはぼやく権利ぐらいあるんだよ 上手い声のかけ方思いつか...