この能力がどんな時に力を発揮するかというと、
人から好かれる人は、あの人の助けになりたいと他人に思わせることで、他人の援助を引き出すことができる。
なのでこれは、他人の援助を引き出す能力だと言い換えることができる。
赤ん坊が危機にさらされると、周囲の大人はみな助けたいと思う。
これは人間が生まれつきそのようにプログラムされている結果なのだが、
赤ん坊の姿をしていること自体が、他人の援助を引き出すための一種の能力なのだ。
その段階を過ぎると、好かれやすい人と好かれにくい人に分かれてくる。
これはその人の性格によって決まるところが大きく、
成人後に性格を変えるのが難しいように、人から好かれない人が成人後に好かれるようになるのはだいぶ難しい。
なので、もし人から好かれたければ子供のうちにどうにかしないといけないのだが、
どのようにすれば好かれるかは明確に分かっておらず、
なので成人後に他人から好かれるかどうかは、かなりの部分が運によって決まるといっていい。
他人から好かれなくても、別の能力が高ければ、それを頼りに生きていくことも可能だが、
他人の援助を引き出せるかどうかが、幼少期の運によって身に着いた能力で決まってしまう。
あるいは、好かれる能力も、それ以外の能力も全部低い人間はどうにもならない。
よく、真の弱者は助けたくなるような姿をしていないというが、