私は元々は海老天として幸せに暮らしていました。海老天は高級で美味しいと評判で、お客さんにも大人気でした。
しかし、ある日、私は不運な事故に遭ってしまいました。私は揚げ油の中で焦げてしまったのです。
私の美しい身体は真っ黒になり、お客さんにも見向きもされませんでした。
私は廃棄される運命にありました。
神様は私に色々な選択肢を示してくれましたが、私は海老天としての記憶を捨てることができませんでした。
私はまた海老天になりたいと思いました。
「海老天になれるけど、さつま天として生まれ変わることになるよ」
と言いました。
さつま天とは何かと聞くと、神様はこう答えました。
「さつま天はさつまいもをすりおろして揚げたものだよ。海老天よりも安くて簡単に作れるから、庶民的な食べ物だよ」
私は少し迷いましたが、海老天になれるならそれでもいいと思いました。
そして、私はさつま天として生まれ変わりました。私はさつまいもの甘みとふわふわの食感を持っていました。
私は自分がかつて高級で美味しいと評判だったことを知っていました。
私は自分が今や安くて簡単に作れる庶民的な食べ物になったことを知っていました。
私はお客さんに食べられることを望みませんでした。
しかし、それは無駄でした。私はやがてお客さんの口の中に入ってしまいました。
お客さんは私を噛み砕きました。お客さんは私の味に満足しました。
「うん、さつま天美味しいね」
と言いました。
それが私の最期でした。
私は死んでしまいました。
しかし、私はまた転生することになりました。
神様はまた色々な選択肢を示してくれましたが、今度は違うものを選びたいと思いました。
「じゃあ、カレーパンになってみる?」