社会人が昼休みに昼食をとりに来ているのだろうな、という時間に牛丼屋に行くのが好きだ。そこには食事中のマナーも、対人関係もほとんどない。
中年男性がテーブルに肘をついて、米をくちゃくちゃ噛んでいる。作業着の若者が、箸を咥えながらスマホを見ている。添えものの野菜を残して席を立つ人は少なくない。店員の「ありがとうございました」は誰も聞いていない。
全員が、欠けた栄養を補うためではなく、ましてや食事を楽しむためでもなく、ただなにか喰わないと腹が減るから、メシを口に詰めこんでいる。人間の食事ではなく、動物の摂食だ。
この躾のなっていない動物たちが、昼休みを終えて会社や現場に戻れば一丁前に部下を叱責して恨みを買ったり、逆に頼れる同僚として辣腕を振るって広く好かれたりしているのかと思うとたまらない。家に帰ったあとは妻や息子には大きい顔をしているのか、娘と遊んだり出かけたりするのか、ひとりで酒をあおっているのか。
そのどれであってもここにいる間は一動物に成り下がっている。他者への視線を全て排した、目の前にあるメシを喰うだけの、なんの思考もない個体。ホモ・サピエンスを見るには絶好にして無二の場所だ。
サウナとかもそういうのちょっと感じる 館内着でうろうろしてる腐ったおっさんがロッカーで着替えて出てきた時には まるで別人みたいなパリっとした雰囲気に生まれ変わってチェック...
トッピングに卵を追加しておけば、かなりの栄養はどうにかなる。 吉野家サバイバーはそう語る。
吉野家に下働き以上の職業の人はおらん。エリートは首から色付きの紐ぶら下げて格好いいカフェテリアで社員用のカードで支払いしてる。吉野家にいるのは悲惨な非正規とか下請けサ...