噂と呼応するかのように連日のように学校で飼っている動物が怪死。『幽霊を見た』と証言する用務員。
そして、とうとう事件が起こった。ある時、真野亜希子が教室で血まみれになって倒れているのが発見されたのだ。
幸い一命は取り留めたものの、それ以来、学校に姿を見せることはなくなった。
その後、時江が海外に行くことになり、真野とも連絡が取れなくなってしまったという。
「…それは何らかの呪詛ね」
呪いの類については、美和子はあまり信じていなかった。もちろん、まったく関心が無いわけではないが、かといって、自分の身に何かが起こることを期待するほど愚かでもない。
そもそもそういったものは、結局は人間の作り出した迷信に過ぎないと思っているからだ。
だが、今こうして時江の話を聞くうちに、何だか自分も無関係ではないような気がしてきた。
――真野さんの件は偶然にしては出来過ぎてるわよね。
美和子はそう思い始めていた。
――きっとこれは、単なる偶然なんかじゃないわ。
美和子はそう考えると、俄然興味が湧いてきた。
――ちょっと調べてみようかしら。
美和子はそう決心すると、顔を上げた。
時江と別れて帰宅した美和子の目の前には電源を入れたばかりのタブレットPCがある。画面に映し出されているのは、先ほど時江から送られてきたメールの文面である。
一方時江はどちらかと言えばおっとりしている方だったが、勉強はできたし、運動神経も良かった。 またクラス委員を務めていて、生徒たちからの評判も良く、教師たちからの信頼も厚...
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