2022-05-31

気軽に喧嘩を売ってもらえなくて悲しい。

昔は良かった、などという部類の話に、どうしてもなってしまう。

まり、街を歩いていても喧嘩を売ってもらえない時代になってしまったということだ。

結論から言うと、人を殴りたいのだ。俺は。

生きていればどうしても嫌なことの1つや2つあるもので、そういう時、スッキリする手段として喧嘩というものがあった。

別に無差別に人を殴りたいというわけではない。

喧嘩を売ってくる人と、殴り合いたいのだ。

昔はそのような、いわば「マッチング」が容易だったのだ。

ムシャクシャしてるから人を殴りたいという俺と、

ムシャクシャしてるから人を殴りたいという他人

恋人を探す男と女同士が偶然出会うかのように、俺たちは出会い、拳を交わすことができた。

から、誰かに迷惑がかかるという話ではなかったのだ。どうしてもイライラしてる男同士が、互いのフラストレーションをぶつけ合えた。

当時を知る人ならわかってくれるだろ?「あ、こいつムシャクシャしてるな」という同志は、街で見たらわかるものだったし、

ちょっとした空気感で、「この男とやり合おう」というシンパシーが生まれていた。

から自分と背丈が違う人間だとか、明らかに自分より弱すぎる人間とはマッチングを避けた。

素敵なシンクロを重ねた相手とは、肩をわざとぶつけるだとか、些細な口実を作ったり、作られたりして、存分に殴り合えた。

ハンカチを落としましたよ、なんて女性を誘うのにも似た、なんだかいじしかった、なんて今回顧できるくらいだ。

そういう出会いが、もっぱらなくなってしまって悲しいという話だ。

今の世の中は、出会いが少ない。

誰に迷惑だったのだろうか。

もっと気軽に、他人と殴り合ってストレスを解消できる世の中に戻って欲しいものだ。

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