2022-01-29

この世界に参加する資格

溢れんばかりの才能が欲しい

全ての人間を屈服させ、賞賛を浴び続けられるような

誰もが私の存在承認せざるを得ないほどの、絶対不変の才能が

透徹した目が欲しい

他の誰もが気付かず、しかし私によって露になった事実を驚きを以って誉めそやすような瞳を

「良く気付いたな」と

海のように広く深い知識と見識を持ちたい

誰にも負けないその視野で、全てを知り続けたい

知らないことなどないようにしたい

常に、劣等感しかない人生であった

私の上位互換は、逃げて、逃げて、逃げ続けた先の居場所にさえ存在する

「自らが生きていける場所に移動すること」

それも適応と呼ぶのであれば、私は最後最後までこの世界適応することができなかった

不足や不備ばかりに目が向いて、逃げ果てた先で遂にどうにもならなくなってしまった

「肉体の持つポテンシャルは、精神の持つそれとは段違いだ」

かつて、どこかで読んだWeb小説の一文だったと記憶している

もはや正確な記載再現することはできないが、それでも折に触れて思い出す


そう、精神がどこまで追い詰められても肉体は「私」を生かし続ける

どれだけの不幸や災難が生じても、この肉体は何も変わらずに生命の音を世界に刻み続ける

そこに私の意思は介在しない

もう、うんざり

終わらない、終わらない、終わらないんだ

いつまでもしつこく人生は続いていく、もう十分ではないだろうか

この感情も、肉体が時間で除して平凡と記憶の彼方へ流していってしま

「変わらない」という残酷結論が、私の尊厳を奪っていく

それに抗う術を私は知らない

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