別に、毎日ずっと辛いというわけではないし、生きるのが楽しいと思える日もちゃんとある。周りのひとは優しいし、生活にも特に不安は無いし、かなり恵まれている方の人生だとも思う。苦しい思いや痛い思いだって、できる限りしたくない。
でも、わたしの痕跡を全て消して、誰もわたしのことを知らない状態にしてこの世から消してくれるのなら、迷わずそちらを選ぶと思う。
生きるのがただただ面倒くさくて辛い。考えなきゃいけないことが多すぎる。もう、何も考えたくないのに。まだあとこうやって何年、何十年と生きるのかもしれないと考えると、あんまりにも長くて途方に暮れてしまう。
どうしてわたしみたいな個体が生まれてしまったんだろうと思う。もっと、生きることに貪欲な個体だったら良かったのに。可愛がって育ててくれた家族に、申し訳がない。
生きたくはないけれど、自殺する気はない。
周りのひとたちは優しいひとばかりだから、わたしが死んだことを悲しんで、「どうして相談してくれなかったのか」「知らないうちに追い詰めてしまっていたのか」と自分を責めるんじゃないかと思う。何にも悪くないのにね。そんなひとたちを、自殺者の遺族にするのはあんまりだ。
それに、色々と方法を考えてみたこともあったけれど、どうやって死ぬにせよ、死体の処理という面倒で嫌な仕事をひとさまに押しつけてしまうことになるわけだから、わたしの都合で仕事を増やしてしまうのも申し訳ない。
だから、周りのひとたちに「運が悪かった」「どうしようもなかった」と思ってもらえるような死に方をしたい。できれば何もわけがわからないうちに死ねたらいいな。苦しいのも痛いのも嫌だから。