以下の問題を解いてみてください。
以下の数列で、□に当てはまる値は何か。
2、5、8、11、□
3ずつ値が増えているので、正解は「14」ですね…
いや、それは正解ではありません。
正しくは、「14」だけが正解なのではありません。
もし問題文に「以下の数列が等差数列とする場合、」と条件が記載されていれば、
たしかに「14」が唯一の正解ですが、そうではないのです。
それならば、真の正解は何でしょう。
正解は「任意の値をとる」です。
つまり、100でも200でも300でも、どんな値でも□に当てはまるのです。
「間違い」となる値は無いのです。
本当にそんなことがありうるのでしょうか。
例えば、□が100となる数列a(n)は、以下のように定義できます。
a(n)=
2(n-2)(n-3)(n-4)(n-5)/(1-2)(1-3)(1-4)(1-5)+
5(n-1)(n-3)(n-4)(n-5)/(2-1)(2-3)(2-4)(2-5)+
8(n-1)(n-2)(n-4)(n-5)/(3-1)(3-2)(3-4)(3-5)+
11(n-1)(n-2)(n-3)(n-5)/(4-1)(4-2)(4-3)(4-5)+
100(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)/(5-1)(5-2)(5-3)(5-4)
非常にややこしい式ですが、計算はほとんどの部分が0になるので簡単です。
最初の「2(n-2)(n-3)(n-4)(n-5)/(1-2)(1-3)(1-4)(1-5)」の部分はどうなるでしょうか。
よって、分数は約分されるので1となり、この値は2です。
次に「5(n-1)(n-3)(n-4)(n-5)/(2-1)(2-3)(2-4)(2-5)」の部分はどうなるでしょうか。
よって、この値は0です。
そして、「8(n-1)(n-2)(n-4)(n-5)/(3-1)(3-2)(3-4)(3-5)」の部分ですが、先程と同じ理由で0ですね。
残りの「11(n-1)(n-2)(n-3)(n-5)/(4-1)(4-2)(4-3)(4-5)」も「100(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)/(5-1)(5-2)(5-3)(5-4)」も、やはり0です。
よって、a(1)は2+0+0+0+0=2です。
同じように、2項目の値a(2)を、n=2として計算してみます。
最初の「2(n-2)(n-3)(n-4)(n-5)/(1-2)(1-3)(1-4)(1-5)」の部分はどうなるでしょうか。
(n-2)が0となるので、0ですね。
「5(n-1)(n-3)(n-4)(n-5)/(2-1)(2-3)(2-4)(2-5)」はどうなるでしょうか。
分数部分が1になるので、値は5です。
「8(n-1)(n-2)(n-4)(n-5)/(3-1)(3-2)(3-4)(3-5)」以降の部分はもうおわかりですね。全部0です。
なので、a(2)は0+5+0+0+0=5です。
この数列a(n)のパターンが見えてきたでしょうか。
この数列は5項目まで、太字で示した係数の値を前から順に取っていきます。
つまり、a(1)=2、a(2)=5、a(3)=8、a(4)=11、a(5)=100となるのです。
よって、たしかに、□が100となる数列は実際に存在する(このa(n)がそうです。)と言えます。
つまり、□を100としても、そのような数列は存在するので、「間違い」ではないわけです。
そして、a(n)の式中で100の部分を200に変えれば、□が200となる数列も作れるし、300に変えれば、□が300となる数列も作れるわけです。
だから、上記の問題で□がどんな値であったとしても、それを満たす数列は必ず存在します。
よって、□がどんな値でも「間違い」ではないわけです。
したがって、数列自体に条件が無ければ、数列の穴埋め問題に「間違い」は無いと言えるわけです。
増田に数学記事書かれるの珍しい気が
いや最近多いんだこれが
そうか。知りたい
今は数列が数学Bに移行していて、わりと衝撃