年功序列が終わるということは、年金制度も終わるということだ。
働けなくなった人間が今働いている人間に養ってもらう制度なんてのはもう維持できなくなる。
だから、年金の受給開始年齢を遅らせたり、減額したりして問題を先送りにしながら、
そこに到達するまでに体を壊したり、あるいは、受給額だけで生活できなくなった人から
退場するような仕組みに作り変えていくことになるだろう。
すべてが手遅れになってから、こんなはずじゃなかった、なんて思っても遅い。
年功序列が終わろうとしたとき、現状維持で定年逃げ切りを目論んだ年配社員に対して
異議を唱えた若手社員は粛清され、社畜とヤンキーだけが残った。
衰退は目に見える形では起こらず、発展する世界と取り残される日本という形式を取ったため、
世の中の情勢に興味がなかったり、ITに弱い層がむしろ生き残った。
このまま時代が下ってもこの状況は変わらないだろうから、もし日本が本当の後進国になってしまっても、
そこに生きる未来の日本人は、自分たちの国が落ちぶれてしまったことすらも認識できないはずだ。