小熊はひとまずマフラーを竹槍にすることにした。直管の大きなやつだ。
ハンドルはチョッパー気味にし、日章旗のエンブレムを入れることを怠らなかった。
これだけでは物足りなかったので、オプションとしてラッパをつけてゴッドファーザーのテーマが鳴らせるようにした。
こうした改造をしたことを礼子に報告すると、礼子のテンションは上がった。
彼女は車にも手を出し、車高短に改造したかと思うと特服まで買い込んでしまったのだ。
もはやカブとは関係のない世界に突入していたが、二人は満足だった。
マイルドヤンキーめいたことをアニメ版で発言してはならないことで、鬱憤が溜まりまくっていた。
思う存分デコレーションで発散した。
彼女らはコーヒーショップバイトの恵庭を誘ってチーム超火舞(スーパーカブ)を結成。
静岡・浜松から富士周辺の地域を制圧、いつの間にかデコトラのチームも巻き込んで、南海トラフで水没しかねない地域すべてを制圧した。
流石にここまでやればクレームが付くことはないし、鬱陶しい弁護士のご託宣も聞く必要性がない。
小熊は一人コーヒーを飲んだ。
苦い。
ホネ・ケンコー