現状、部活がなくても教員の業務は定時を超えます。部活があると定時を遥かに超え休日も休めません。生徒が通常部活をしている時間は教員の勤務時間の外にあります。しかも平日は無給、休日は「割安賃金」です。労働法上の違法が黙認されている状況は改めなければなりません。過労死する教員もいます。お金の問題もありますがまず第一に、これは命と健康の問題だということを認識しなければなりません。
次に生徒の安全の問題があります。教員の勤務時間外に部活の時間の大部分が設定されています。その状態で生徒の安全配慮義務を果たすことができるでしょうか。しかも、部活顧問の約半数は素人です。放課後には課外や補習、校務分掌業務、授業準備があります。本当は部活に顔を出すのは無理なのです。「事故が起こりませんように」と祈りながら、職員室で業務をしている状態です。安全配慮義務を果たすことができない仕組みになっています。教員の業務に部活を組み込むことは無理があります。部活は安全配慮義務に気を配らなくてよかった頃の風習が今も続いているものなのです。
生徒の学力の問題もあります。教員が多忙になるとまっさきに削られるのが授業準備の時間です。授業準備の時間が取れないと授業の質が落ちます。当然、生徒の成績も落ちます。以前、東北6県の中学校部活強制率と各種データで相関をとってみたのですが、部活強制率と中学生の成績には強い負の相関があるようです。
https://drive.google.com/file/d/1iEAUA_jutBaf2RArhmuQq0CRcYa9nIUZ/view?usp=sharing
そもそも部活動は廃止でいいのでは。