身も心も貧しい。
上野千鶴子の記事に向けられた批判ツイートを読んだ。彼らは彼女の贅沢な暮らしが許せない様子だった。
彼女の書いた「みんなで貧しくなろう」の意味は、今ある富を手放して清貧な暮らしをしよう、という意味ではなかった。
これ以上の人口増加は望めないのであの頃の物質的な豊かさは取り返せないが、変わってゆく社会を受け入れよう、という意味での「みんなで貧しくなろう」だった。
彼らは読めないのだった。文脈も背景も読めないし、上野千鶴子が書こうとしている社会科学的なこともわからない。おそらく明日のことも不安で、来月の家賃を払えるかわからない人が、この「みんなで貧しくなろう」という文言と、上野千鶴子の暮らしぶりを見て、矛盾しているとツイートしてるのだと思う。
そんな彼らは、これからの日本の局面について語る上野千鶴子の、その一節だけを切り取る。怒りをぶつけられる場所が、そこしかない。
そんなツイートが盛り上がるあたり、学問どころではないなお感じる。
身も心も頭も貧しい。
はてなのサロン批判にも、似たようなものを感じる。彼らに直接メッセージを送って諭す人や、元締めに連絡する人、学もない技能もない彼女らに仕事を与える人はいない。わかりやすい記号を見つけて、文句を言って、自分は賢いと思っている。
すでに我々は貧しい。