2020-12-31

同意なき紅茶を飲ませてはいけない

行為中に首を絞められた。正直無理。

「どうして首元を押さえたの」

だってMでしょ」

私は元々呼吸器系がそんなに丈夫じゃない。

首締めというにはかなりソフトものだったと思うけど、苦しかったし、快楽など微塵も感じなかった。

もう一回しよ、という言葉に泣いてしまった。

お互いを信頼してるからそういう行為に至っていたのに、また同意のない行動に及ぶのではと思うと無理だった。

説明したら「やり直そう。上書きしたい」って言われたけど、やり直すための信用がもう無い。

イギリスかどこかの教育動画で、性的同意紅茶に例えるものがあった。

それに準えるならば、「紅茶はいかが」「ありがとう」というやり取りでサーブされた紅茶唐辛子が入っていて、

「どうして唐辛子を入れたの」

「辛い食べ物が好きでしょう」

「もう飲みたくない」

「ごめんね。入れ直すからもう一回飲んで」

相手唐辛子を入れていない確証はないし、唐辛子でなくとも他の何かを混ぜてくるのではと身構えてしまう。何年も一緒にお茶を楽しんでいて、私が普段飲んでいるのはストレートティーだって知っているはずなのに。

そもそも私は紅茶を飲むことに重きを置いていない。

ティータイムの準備をするのが好きなのだ。どの紅茶を飲もうか、どんな茶菓子を食べようか、と考えて準備するのが好きなのだ。そしていつの間にか紅茶を飲むための手筈が揃ってしまって、相手紅茶を飲もうというから、それもいいかもしれないね紅茶を飲んでいたにすぎない。

「準備するから、入れ直すから紅茶を飲もう」

と、言われたところで、元から私の目的紅茶を飲むことではないので、奇怪な紅茶を飲まされた後では飲みたいとは思えない。

私はティータイムの準備が好きだった。

一緒に紅茶を楽しむ雰囲気が好きだった。

紅茶が飲みたいわけではなかった。

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