2020-12-02

雨の日にだけすれ違うあの人

いい加減に今度こそ、雨の日の自分にあの道を通るのはやめさせるために、日記を書くことにした。

文字に起こすのだから覚えるだろう。

毎回、事件が起こるたびに「あ、そうだった」とがっくりくるのをやめたい。

今日みたいに天気の悪い日は、いつもと通勤時間がずれるため普段とは違う顔ぶれとすれ違う。

最近ようやく気がついたのだがそういう日にすれ違う女性のひとりに、どうやらよくない意味ロックオンされている。

自分自意識過剰ならいいのだが。だいたい同じ道ですれ違うが、やたらこちら側に距離を詰めてきてぶつかって行こうとする。

傘をさしているときにお互いの傘が当たらないように上下にずらしてみたり、先に通らせようと譲って待ってみたりしても、ぶつかってしまう。

たまにいる距離感がへたな人だと思っていたんだが、いい気分ではなかった。

そして今日。道中で雨はやみ、傘をたたんで件の道の辺りを歩いた。

人二人が並んで歩けるくらいの歩道で進行方向にむかってみんなが一列になってすれ違って行く中、列を乱してこちらに迫ってくる人影に気がついた。

彼女か、と思った。

今回は傘をさしていない分、道幅に余裕があってうまく避けられそうだ。

ちょっと興味が湧いてすれ違いざまチラッと顔を見てしまった。

若い女性。どちらかというと化粧っけのない地味な顔立ちだ。目が合った瞬間にサッと視線を逸らした彼女は、自分の真横を通り過ぎて行った。

あんないかに普通という出で立ちの女性にこれだけ執拗にされているのだから、どこかで自分彼女の腹の立つことをしてしまっているのだ。

今なお「雨の日にすれ違うアイツには攻撃しなくては気が済まない」とまで恨みを向けられているのだと思うと自分過去の不注意にうんざりする。

ひとまず今日は家に上がる前に念入りに塩をまき、次から雨の日は別の道を通れ、未来自分

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