学生などが直面する壁は、解決すべき問題が難しいという場合がほとんどだ。
一方、これが会社になると、解くべき問題自体は恐ろしく簡単だが、下らない制約のために解くことが困難になる。
ほとんどの仕事というのは、「xの二乗を計算してレポートに書いて出せ」というようなレベルだ。
ただし、このxの値は誰も知らない。前に誰かが記録していたような気がするが、誰が記録したのかもどこに保管してあるかも誰も知らない。そこを手探りで探すのが、会社での仕事である。
また、レポートの形式は自由ではない。必ず、Excelのセルを方眼紙状に並べたシートに、罫線などの装飾を施して、印刷して提出しなければならない。その紙に上司のハンコをもらうまでが仕事である。
要するに、ほとんどの仕事は実質的に意味がない。また、前担当者の引き継ぎなどが適切に行われなかったために、無駄な手間が増えている。これが、会社での9割9分の仕事の実態だ。
はっきり言って、こういう仕事は働いている人もストレスが貯まるし、最終的に損を被るのは顧客である。無駄な仕事をしている会社の製品には無駄なコストがかかっており、それを安く売ろうとすれば、品質管理などが疎かになる(ただでさえ意味のある品質管理ができていないのに)。