イベントに参加し、そこである程度の成績が出ればもらえるものだった。
譲った子はとても喜んで「ありがとうございます」と何度もお辞儀をしていた。
そこまでのものでもなかった。
コレクションを譲る、一回の付き合いしかなかったので彼女のことはそれほど知らない。
ただ、コレクションする物がお互い好きなジャンルで、ツイッターを通してだけだが、ランダムなアイテムからイベントの物販まで何でもコンプリートする人だった。
私が体調を崩し、治療のために貴重なコレクションを手放すことになった。
彼女と交換する約束はあったが、価値が大きくかけはなれた結果、破談となったものだ。
恐らく学生で、コレクションもアルバイトから出している‥学生の立場で治療のために現金での取引を提案することができなかった。
それほどの仲でもなかったが、非常に悔しかったのだと思う。付き合いはなくなった。
ときどき、界隈で彼女が何としてもアイテムをコンプリートしようとしているのを見かける。
このコロナ渦でも、アルバイトがないのに物をずっと買い続けている。
多分、コレクションしてる物は、学校で学んでいることとリンクしてて、学習的な面と使命感と、意地やら何やらがごちゃまぜになっているんだと思う。
コレクションをコンプリートしても、そこまで学習として身に付くことはないと思うし、執着しているのを見ると怖くなった。
ただこういう人は少なくないみたいで、トレーディング商品を非常に多く買って、愛情を示すようなオタク文化はよくないな、と個人的には思う。
古来から、使い切れない切手をコレクションしたり、 見た目優先でまったく釣れない疑似餌をコレクションしたり、 作り切れないほどプラモデルを買ったり、 人間ずっとそんなもんだ...