2020-04-04

現実を積み上げていこう

鳴り止まない歓声。画面の向こうではスター達が栄光を手にしている。

僕たちもその栄光の場面に熱中し、一時の興奮を味わうことができる。

しばらくするとその興奮は冷める。だけど心配ない。情報が満ち足りた現代いくらでも替わりの景色アクセスできる。

でも、どこか心が満ち足りないのはどうしてだろう?

自分の見ている景色じゃないからだ。

ならば、自分がその景色にたどり着けばいい。

だけどそれは甘い考えだ。

スター達が見ているのは、想像もつかない程遠くにある景色だ。

分かっているつもりだ。けど、簡単に疑似体験できるからこそ、どうしてもその距離を甘く見積もってしまう。

身の丈に合わない願望は、焦りを生む。

焦りは緊張を生む。ヒーローみたいな活躍どころか、目の前の簡単作業すらこなせなくなる。

「こんなはずじゃない」、現状への不満がひたすら募る。

大きすぎる夢は、処理し切れない。大きすぎるのなら、砕いて細かくしよう。

何でもいい、部屋にある物をじっと見つめてみよう。

焦りや不安は一旦忘れて、目の前の物を細部まで観察しよう。

「どうせこんな形でしょ?」みたいな考えは捨てて、現実景色として認識できるレベルまで細かく。

何の変哲もないはずの物が愛おしく見えてこないだろうか?

見過ごしていた風景に、涙が溢れてこないだろうか?

現実味のない煌びやかな妄想なんかより、ずっとずっと美しい。

「この汚れは何故こんな形になったんだろう?」疑問に貴賎なんてない。素朴な疑問を足掛かりにしよう。

間違ってもいい、正解なんてない。自分の頭で考えよう。拙くてもいい、浮かんだ感情言葉にしよう。

そうやって身近なものから順に、自分世界を作り上げていこう。

自分の手の届く範囲、考えの及ぶ事柄こそが現実だ。

現実を積み上げていこう。

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