2019-12-29

桜を見る会

「うちのオカンがね、昔お呼ばれしたパーティ名前を忘れたらしいねん」

「ほんだら俺がね、おかんのお呼ばれしたパーティ名前、一緒に考えてあげるから。どんな特徴言うてたかとか教えてみてよ」

「なんでもな、毎年春にやってる公的行事で、主催総理大臣らしいねん」

桜を見る会やないか? それはもう完全に桜を見る会やがな。すぐ分かったよこんなもん」

「俺も桜を見る会やと思てんけどな、オカンが言うには、夕食会の明細書もらったっていうねんな」

「ほな桜を見る会と違うかぁ。桜を見る会に夕食会の明細書なんて出るわけないもんね。桜を見る会の夕食会の明細書はね、まだ1枚も出てきてないのよ。あれは。首相側もね、明細書1枚でも出せば済む話やのにまだ出せてないから。桜を見る会ってそういうもんやから。ほな桜を見る会ちゃうがなそれ。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

「なんであんなに招待客が多いか分からんらしい」

桜を見る会やないかい! 招待客数と支出額めちゃくちゃ多いんやから! でも俺はね、あれは自分支援者だけ招待してるからやと睨んでんのよ。俺の目は騙されへんよ。俺の目騙したら大したもんや。で、あれよう見たらね、反社会的勢力を含んだうえでの招待客数になっとんねん! 俺はなんでもお見通しやねんから! 桜を見る会や、そんなもんは!」

「分かれへんねん、でも」

「何が分かれへんねん」

「俺も桜を見る会やと思てんけどな、オカンが言うには、招待客名簿があったっていうとってん」

「ほな、桜を見る会ちゃうやないかい! いま招待客名簿出てきたら政権ひっくり返るもんね! 桜を見る会はね、まだ国民が寝ぼけてるときから嘘ついてられんねん! 嘘つかれてるうちに国民だんだん目が覚めてくるけど、まだちょっとだけ嘘ついてまうねん。そういうカラクリから! 桜を見る会ちゃうがな。もうちょっとなんか言ってなかった?」

投票数かのかさ増しに使われているらしい」

桜を見る会や! あれは法律スレスレどころか法律違反から! 首相側がもう一段増やそうもんなら、俺は動くよ、もう! 桜を見る会やん絶対!」

「分からへんねん、でも」

「なんで分からへんの、これで」

「参加してるときに誰に感謝したらええかわからんらしい」

桜を見る会やないか! 桜を見る会は参加している本人でも自分にどんな功労・功績があったか思い浮かばへんねん! 浮かんでくるのは首相首相夫人の顔だけ! 両手を広げた首相の顔だけ! 桜を見る会に決まり!」

「分からへん」

「分からへんことない! オカンのお呼ばれしたパーティ桜を見る会!」

オカンが言うには桜を見る会ではないって言うてた」

「ほな桜を見る会ちゃうやないか! おかん桜を見る会ではないと言えば桜を見る会ちゃうがな!」

「そうやねん」

「先言えよ! 俺が首相の真似してるときどう思てたん?」

申し訳ないなと思って」

「ほんまに分かれへんがな、それどうなってんねん」

「オトンがいうには、即位正殿の儀ちゃうかって」

「いや、絶対ちゃうやろ! もうええわ。どうもありがとうございました」

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