この前のことだ。
私はその日、大事な用事があったのでいつもより気合を入れたメイクをして、下ろしたてのブランド物ワンピースを着て居た。
美味しいアフタヌーンティーを堪能し、女子会を終えて帰宅しようと最寄駅からバスに乗ろうとした時である。
突如として見知らぬ男に立ちはだかられた。
「すみません!信じられないと思うんですがさっきお見かけして一目惚れしてしまいました!」
「あの、よければ連絡先、あの、帰りも一緒に帰りたくて、」
そこには冴えない眼鏡の男が立って居た。手には買い物袋を提げていて、それが確かに私の先程目の前を通った店の名前であったから偶々見かけたというのは真実なのだろう。
いや気持ち悪っっっっっっっっっっっっ
アプリゲームしてるのが見えないのか?お前の連絡先よりガチャの方が大事なんだわ。
誰?この人に一目惚れとか教えたやつ。ちゃんと遺伝子から教育してくんない?
その日最高に高まった私のテンションは全く知らないロマンチストな気色悪い他人に台無しにされましたとさ。
メルヘンなんて信じてんじゃねえ
拳銃を所持して射殺してもいい法律を作ろう