子供を抱いており、片手でここまで転がしてきたであろうスーツケースが隣に置いてあった。
おそらくは階段を下りたいのだろう、しかしひとりで立って歩くことができない赤子を抱いているのでスーツケースを運ぶことができない。
きっとどこかにエレベーターがあるはずなのだが、私はこの駅の構造をよく知らなかった。地図アプリを開いてササッと目を通してもよくわからなかったし、駅員さんもいない。
スーツケースを下に運ぶのを手伝おうと思ったが、迷惑だと思われたら?怖がらせたら?と考えると、声をかけられず、素通りをして階段を降りた。
が、半分降りたところでどうしても気になってしまった。もし迷惑なら断るだろう。断られても仕方ない。私も女だし、怖い見た目ではない…はずだ。方向転換をしてまた階段を登り、ドキドキしながら「下の改札に行きますか?もしよければスーツケースを下まで運びましょうか?」声をかけた。相手の女性は一瞬びっくりしたように見えたが(マスクをしていたのでよくわからなかった)、少しだけ間をおいて「すみません、お願いします」と答えた。
安堵して笑顔で「はい!」と答え、不安にさせないように女性が降りるペースに合わせて一段ずつスーツケースを持って階段を降りた。
下で「ありがとうございます、エレベーターの場所がわからなくて」とお礼を言われて、とにかくよかった、と思った。
安心していたら、いきなり知らない人に「ちょっと」と声をかけられた。お化粧をしっかりと施した、40代くらいの女性だった。
「ああいうことすると誤解されるわよ、スーツケース盗もうとしてるって」
そのときはかなり混乱してしまい正確な言葉までは覚えていないが、そのような事を言われた。
善意のつもりでも悪いことだと勘違いされることもあるのはわかっていたからこそ、先の女性に声をかけるかどうか悩んだ。わかっていたからこそ不安にさせないように気をつけた。
創作乙 わよ なんて使わねーよwww
私が子供連れの女性の立場だったら、増田の行動は純粋にありがたいけどなー まあ何にでも文句つけてくる人はいるよ お疲れ様
やらない善よりやる偽善ってやつだよな 横益田
スーツケースほどかさばる割に換金性のない品はない。 だから誰も泥棒は狙わないよ その女性は的外れもいいところだ