毎年、夏になると、近くの神社にかなりの数の出店がやってくる。
お祭りの雰囲気が好きで、毎年うろうろするのが恒例となっていたのだが、ある年、鶏皮を売る出店を見つけた。
もともと鶏皮は大好きだったので、今年はこれを食おうと立ち寄ったのだが、鶏皮を売る店員がまあ絵に描いたようなKKOで、もじゃもじゃの長髪で、薄汚れた半袖シャツからは腹の肉が溢れんばかりのデブで、汗と油でギトギトになりながら、鶏皮を焼いていた。
その光景にちょっと圧倒されて買うのをためらったが、一瞬目が合った気がしたので引き返せなかった。
ただ、KKOに笑顔はなかったものの愛想は良く、鶏皮も旨かった。
それから1年が経ち、また夏が来た。
前年、意外と子ども達にも評判が良かった鶏皮を今年も買おうということになり、同じ場所に行ってみた。
すると、そこには鶏皮の出店があったものの、店先には鶏のオモチャがたくさん並べられ、賑やかでポップな感じになっていた。
鶏皮のKKOも、誰かから言われたのか、もじゃもじゃの長髪はきれいに束ね、半袖シャツも白かった。
私以外の客もそれなりにいたし、儲かっているんだな、と思った。
さらに1年が経ち、また鶏皮のKKOの出店を探してみた。
やはりその年も来ていた。
ただ、今度は、白い半そでシャツが黒いデザインシャツに変わり、店先には小さなラジカセが置かれ、スタンハンセンだったかブルーザーブロディのテーマ曲を流しながら、ノリノリで鶏皮を焼いていた。
楽しそうだった。
さらにまた1年。
今年はどうなっているのだろうと見に行ったら、隣の出店のおじさんと楽しそうにお喋りしながら鶏皮を焼いていた。
やっぱりプロレスの話を熱く語っていたような気がする。
そしてまた1年。
鶏皮のKKOは、昨年お喋りをしていたおじさんと一緒に並んで鶏皮を焼いていた。
焼き方や売り方を弟子に教えながら客をさばいていたので、かなり忙しそうではあったが、とても生き生きしていた。
で、今年。
今年のお祭りはまだ先なのだが、あの鶏皮のKKOに会うのが本当に楽しみだ。
今年はどこまで豊かになっているのだろう?
もはや、あの鶏皮のKKOは私のささやかな希望ともなっている。
毎年、地道に諦めず、真面目に愛想よく働くことの素晴らしさを気づかせてくれる。
もし、さらにランクアップしていたとなると、あの鶏皮のKKOはもうそこにはいないのかもしれないが、弟子を通してでも良いから、いつかは伝えたい。
毎年、ありがとう。鶏皮も旨かったよ。
と。
テキ屋ってヤクザみたいなもんらしい KKOのイメージとは違うんじゃね
どんだけ~
増田にとっては年一だけど、KKOは毎日どこかの祭りで鶏皮を焼いてて、 5回夏が来れば、5年経ってる。 5年は、結婚して子供出来てる年月だ。人生の生活様式も変わる。 僕もずっと...